| ”「わたしは来た。」と、かれはいいました。（以下、ネタばれなので、支障のない方
のみ反転して下さい）「だが、わたしがここに来てするはずだったこ
とを、もうしないことにした。そのことをするつもりはない。指輪はわたしのものだ！」 （「王の帰還・下」J.R.R.トールキン瀬田貞二訳）” 衝撃のクライマックス。滅びの亀裂へ辿り着いたフロド。 原作をお読みでない方も、すでに公式サイト予告 編などで、薄々展開が見えてきているかと思いますが……。 初めてこのシーンを読んだ時はショックでした。 でも、今はかえってそれが深淵な意味を持って、いつまでも私を「指輪物語」に惹きつけているのだと思います。 （以下、ネタばれ） 指輪を捨てることを拒否した、映画のイシルドゥアの 「ニヤリ」も印象的ですが、フロドも口元のみニヤリ。でも、きっと指輪の魔力に押さえつけられているだけのフロドの理性は悲鳴を上げていると思うのです。 少しつらそうな、皮肉に悲痛な「ニヤリ」のフロドです。 2004.1.2 |